- 2013.9.8
eBookJapanにあすなひろしが登場!
eBookJapanにあすなひろしが登場!
あすなひろしが2001年に他界した翌年から、原画をもとに自費出版で蓄えてきた超高精細な画質を使って再編集された、あすなひろし初のネットブックです。作品集1〜7。作品集1のみなもと太郎先生の追悼文、作品集2の藤原カムイ先生の解説、作品集3のバロン吉元先生の追悼文、作品集6の水野英子先生の追悼文は必読です!
みなもと太郎先生の追悼文(2001年の講談社E-Manga掲載)の冒頭を少しばかり紹介します。
実にくやしい。
あすな氏の早すぎる死を悼む気持ちはもちろんだが。まアそれは割けられない悲しみでもある。
彼の真価が世間に知られていない。それは僕にとって地を転げ回りたいほどの悔しさだ。彼は自身の単行本(アンソロジー)を組むことに消極的だった。だから今、かなりのあすなファンでも、その全貌をほとんど知らない。当然、彼がマンガ界に遺した偉大な功績も。
『白い霧の物語』という『那羅原伝説(ならわらでんせつ)』の外伝を知っている人がどれだけいるだろうか?(『那羅原伝説』の本伝は未発表。したがって僕も知らない)この作品をはじめとする、1965年前後の珠玉の短編を知らなければ、彼が少女マンガ界をどれだけ底上げしてくれたか、語ることは不可能だ。同じ頃、青年誌に発表された『獣の熱い息』という作品をもし読んでいないのなら、あなたは「さいとう劇画」でも「アメリカンコミック」でもない、華麗なるハードボイルド・コミックの世界を知らないことになる。『嵐が丘』を読んでいないのなら、あなたは「マンガ化された文学」の最高峰を知らないことになる。『オーケストラの少女』『チップス先生さようなら』を読んでいないのなら、あなたは──。ああ、キリが無い。ざっと数えあげても百を越える1960年代のあすな作品が、まったく単行本化されていないのだ。・・・続く